一般質問
私は安心・安全な街づくりに関連する3つの問題、防犯・防災・震災対策について一般質問をいたします。
まず第一番目の防犯問題についてですが、先ごろ出た「ヨミウリウイークリー」四月二十七日号によれば、二〇〇一年一年間の新宿区の犯罪状況を刑法犯発生件数の総数で見ますと、一万五千三百九十三件で二十三区では4番目です。しかし個別犯罪の発生件数で見ますと、新宿区は、傷害で二百五十件、殺人で十件、暴力団犯罪で千百七十四件、覚せい剤取締法で三百八十四件、と残念ながら二十三区で第一位の汚名を着せられています。もちろんこれらは全国有数の繁華街を抱える新宿区の宿命とも言える面があるわけですが、そこでの結論によれば、地域コミュニティーの結束やその活動密度と、犯罪件数の関連性が指摘されています。またニューヨーク市のジュリアーニ前市長が採用したブロークンウィンドウ(割れ窓)理論によれば、軽犯罪と重大犯罪の関連性、すなわち軽犯罪の見逃し、積み重ねが重大な犯罪を招きやすいといわれています。新宿区も大いに参考にすべきであります。
このような状況のなかで今回新宿区から住民による地域活動をより重視した安全条例が提案されたことは、誠に時宜を得た提案であります。
そこで一つ目の質問を致します。これは本年第一回定例会で同僚議員の代表質問の一部と重複致しますが、安全条例に基づき指定を申し出た地域では、これまでより一歩進んだ施策を実施されるお考えはあるのでしょうか。
具体的には電柱、商店街路灯、交通標識、公衆電話ボックスなどにポスター、チラシなどが貼り出されていますが、条例で禁止、科料を課している自治体もあると伺っております。とくに交通標識や消火栓標識など公共物に対するこれらの貼り付けは単なる環境美化以上に、交通事故の誘発、火災時の消火活動の妨害にすらなる大変悪質なものといわざるを得ません。
次に、組織暴力犯罪に対する住民組織の立ち上げが、近くこの区役所含んだ新宿繁華街地区で行われるようですが、これらの問題にも十分住民の意向を汲んでいただき、新宿区として安全条例を生かして、具体的な支援をお願いしたいと思います。
繁華街地区で特に夜間、隊列を組んで組織犯罪関係者と思われるものが堂々と町内を闊歩している光景を見ると、長年ここに住んでいる住民ですら、大変な違和感を覚えます。
そこでご質問を致します。現在の暴力団対策法では対処が難しいと言われる、この問題に関して警視庁や地域住民との協議のもと、新たな施策を考えていだだきたいと思いますが、区としてのお考えをお聞きします。
次に第二番目の防災問題についてですが、一昨年発生いたしました歌舞伎町ビル火災の教訓はどのように生かされているのでしょうか。その後のビル検査はどのように進展しているのでしょか。歌舞伎町地区ではまだこれらの改善がなされていないビルが、私の認識する限りまだ存在していますが、区としての取り組みはいかがでしょうか。お聞きいたします。
最後に、第三番目の震災対策ですが、時間の関係で一点だけお伺いいたします。
震災時では、その被害状況にもよりますが、新宿区と地域住民がいかに双方向の通信手段を確保するのかが、大変重要な問題であります。
震災直後の被害状況の正確な把握が、行政にとっては救援のために、そして地域住民にとっては避難時の的確な判断を行うために、必要不可欠であります。
現在防災センターと各地域センターとの無線連絡網、各地域センターと避難所となる各小学校との無線連絡網は整備されているようですが、各自主防災組織へは防災ラジオのみという状況のようです。
そこでお伺いいたします。区民防災組織に対して相互情報交換手段を今後整備するお考えはありませんか。
以上で私の一般質問を終わりますが、いずれの問題も常に変化をしてゆく現場状況や実態を把握していただき、中山区長の掲げる現場主義に立ち、実戦を想定した施策を、常に地域住民とともに志向して頂きたいと存じます。ご静聴ありがとうございました。
答弁要旨
下村議員のご質問にお答えします。
まず、区民の安全・安心の推進に関する条例によって、重点地区の指定を申し出た地域について、更なる施策の推進を図る考えはあるかとのお尋ねでございます。
本条例制定後は、安全推進地域活動を自主的かつ積極的に実践している団体等からの申し出を受け、重点地区として指定し、その活動に対し、積極的に支援してまいります。
なお、ご指摘のポスターやチラシの撤去についてですが、この件につきましても、警察など関係機関との連携を強め、既存の法令や条例等をフルに活用し、区の総力をあげて、継続的に取り組んでまいります。
次に、組織暴力犯罪に対する、新たな施策の実施についてのお尋ねでございますが、組織暴力犯罪につきましては、大変憂慮しておりまして、今後、歌舞伎町商店街振興組合等地域の方々と連携し、警視庁や入国管理事務所と十分協議を行い、組織暴力犯罪のない安全で安心できるまちの実現のために積極的に取り組んでまいります。
歌舞伎町雑居ビル火災の教訓と区の取り組みについてのお尋ねでございます。
一昨年9月に発生した歌舞伎町雑居ビル火災の後、二度とこのような惨事を繰り返さないために、区内の392件の雑居ビルについて、緊急安全点検を行いました。その結果、当初、105件の違反があり、これらについて、強力に指導したことにより、改善又は一部改善されたものが60件となるなど、適法な雑居ビルが増えつつあります。今後とも引き続き、安全性向上の指導を行っていきたいと考えます。
さらに、昨年7月、新宿区安全・安心推進協議会雑居ビル安全対策推進部会を立ち上げ、警察、消防、新宿区とが、連携をして建築物の安全性を確保していくことになりました。その一環として、風俗営業許可や食品衛生管理許可の際の情報交換により、現地に赴き、適法な維持管理への指導を実施しております。
また、建築物を適法に維持管理することは、建築物所有者等の責務であり、区では、建築物所有者等に提出を義務付けている定期報告制度を活用するなど、安全・安心な建物づくりの普及、啓発を図っております。
今後とも、これらの仕組みなどを通じて、安全・安心なまちづくりをめざし、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、震災時の各特別主張所と避難所となる各小学校及び各防災自治組織との情報伝達手段に関するお尋ねがございます。
震災時における正確で迅速な被害状況の把握は、災害対策の基本であります。
当区では、地域本部となる特別出張所と避難所となる区立小中学校等に、相互に情報交換できる地域防災無線を配備し、いざというときに備え、定期的な通信訓練も行っております。
また、各防災区民組織の責任者宅には、防災ラジオを配備しておりますが、新たに地域防災無線機を配備することは、経費の問題や管理の問題等から、現在のところ考えておりません。
なお、震災時は、新宿区アマチュア無線災害情報協会や避難所情報ボランティアの協力を得る中で、災害情報収集体制の強化を図っているところでございます。