一般質問
私は大久保・百人町地区のごみ不法投棄問題について一般質問をいたします。
質問の対象地域であります大久保・百人町地域は、住宅地と商業地が入り組んだ地域であります。また 近年急速に外国人の居住者が増加している地域でもあります。新宿区の住民統計によりますと4割をこえる住民が外国人であり、生活実感としてはそれ以上といわれております。
このような地域環境の中で、これまでもゴミの不法投棄についてさまざまな地域、行政の取り組みが行われてまいりました。
3年前から大久保小学校裏の旧清掃事務所脇の民間駐車場入り口道路側に不法投棄が横行し、見かねた近隣住民が行政の協力のもと毎日のように清掃活動を行って参りました。従来はゴミの集積場であったところでございます。しかし状況は一向に改善されませんでした。むしろ不法投棄がさらにエスカレートし、一般家庭からのゴミばかりではなく、いわゆる業者による廃材などの不法投棄を誘い、付近住民有志だけでは到底対処しきれない状況に追い込まれました。
そこで近隣住民が立ち上がり、地元町会の理解協力のもと、新宿区大久保特別出張所を窓口として新宿区と「協働」の取り決めを行い、この不法投棄問題に立ち向かいました。環境土木部管理課、資源清掃対策室西清掃事務所、同リサイクル清掃課などのご協力を頂きました。新宿区報にも「協働」の例として8月25日号にも取り上げられました。
大久保小学校内にテントを建て、早朝から夜遅くまで、7・8月の暑いさ中、約2ヶ月間に亘り、不法投棄の監視を行ったわけです。監視内容は投棄場所にスポットライトを当て、外国語を含む警告板を設置し、投棄しようとする人間を発見した場合には、直ちに注意し、やめない場合は本人了解の上写真撮影を行うという、活動を行いました。特に悪質な業者による内装工事などの廃材投棄には警察への告発も視野に入れた活動となりました。
結果は劇的なものでした。監視活動開始からわずか1ヶ月で、夜間も含め、不法投棄は止まりました。現場からごく近くの大久保通りで工事廃材の不法投棄が発生しましたが、新宿警察署への速やかな通報によりこの業者は警察署へ呼び出され現場で厳重注意の上、始末書を書かされました。その後この2ヶ月間、現場付近での目立った不法投棄は起きておりません。
さて全国的にも不法投棄に対してさまざまな取り組みが為されています。(たとえば神奈川県、千葉県、仙台市などの例)
マスコミなどではいわゆる大規模な産業廃棄物問題が大きく取り上げられてきておりますが、実態はこの大久保と同じ一般廃棄物が多く、それらがまた業者の投棄を誘発していると考えられます。
不法投棄の現状を県単位で紹介している長野県を例に取り、一般的な状況をみますと、第一に不法投棄の発見件数で、平成10―12年までは250件から450件程度であったものが、平成13年ー14年には一桁違いの2700件から3600件へと劇的に増加しております。
第二に投棄物の中身としては、家庭ゴミなどの一般廃棄物の不法投棄が全体の95%を占めているという報告がなされております。さらに一般廃棄物の中の品目としては何が増えているのかと申しますと、家庭ごみやバイク、家電製品などなっております。第三に不法投棄の発見場所ですが、95%を占める一般廃棄物の場合、道路が30%でトップ、続いて山林24%、河川敷19%となっております。第四に警察での検挙件数を見ますと、平成10年で47件であったものが平成14年には84件まで倍増いたしております。さらに平成14年では一般廃棄物、産業廃棄物の検挙比率は一般廃棄物での検挙が全体の77%、産業廃棄物のそれは13%となっております。
また刑事処分で罰金刑の判決事例も紹介されています。一、二例を紹介いたしますと、早朝、空き地に引越しの際に出た家庭ごみ、寝具、電化製品など合計35kg余を捨てたものに罰金40万円、また、たまっていた家庭ごみの始末に困り、運動場に弁当の空き箱やペットボトルなど家庭ゴミ約18kg分を捨てたものに罰金20万円を科したというような刑事処分の事例があるそうです。
以上ながながとご説明をいたしました。
もちろんこの地域といえども、マンション集合住宅が主な地域では収集されたゴミをいかに分別して資源化するか、結果的なゴミ減量化といった問題に取り組む自治会から、これから問題とするような不法投棄、特に生活ごみではない一部業者の廃棄資材ゴミ問題までゴミ問題も複雑多岐にわたるわけでございますが今回は不法投棄に絞って新宿区としてこの不法投棄問題に同対処するのか、質問をいたします。
第一に大変な労力ではありますが、地域住民による活動がやはりこの問題の解決を早めたと思います。中山区長も自ら現場に激励に訪れていただいたそうですが、住民の努力をどう評価されるか、お伺い致します。
第二にこれから外国人との共生を考えてゆくことはこのような具体的な事柄をひとつひとつをルールとして地域住民みんなが合意してゆく、そのための広報、啓発活動が必要なことはいうまでもありません。今後ともあらゆる機会を捉えて外国人や新住民に啓蒙して
第三に今回の不法投棄が、一応現時点ではありますが、収束したの新宿警察署の対応があったと考えられます。
廃棄物処理法には罰金1000万円以下の罰金を科すとありますが、この適応を真剣に考え、警察署への告発を視野に入れた行政の固い決意をお伺いしたい。環境犯罪も立派な犯罪であります。長野県の例もございます。たとえ一般ゴミであっても、告発を行うことを考えていただきたい。本定例会で取り上げられている放置自転車とともに、町の美化と犯罪の発生は関係があるといわれております。
第四にこれは今回活動された地域住民の方からのご提案でありますが私も賛同しましたので、質問させていただきます。宅建法第三十五条の重要事項説明にゴミの集積所、出し方のついての項目を加える趣旨の条例の制定をおこなってはいかがでしょうか。出来れば二十三区始めての条例として従来の条例を改正するのではなく、独立した条例とし、その制定のアナウンス効果も期待するものであります。
以上で質問を終わります。
答弁要旨
下村議員のご質問にお答えします。
大久保・百人町地区のごみの不法投棄対策についてのお尋ねですが、ご指摘の通り大久保小学校裏の不法投棄は、ここ数年地元住民の方々を中心に、清掃事務所職員も含め、対応してまいりましたが、抜本的な解決には至らず、苦慮していたところでした。
このたび、大久保特別主張所が窓口となり、地元町会を中心にこの地域の不法投棄撲滅のための活動が新宿警察署、新宿区の各部課・所の協働により、約2ヶ月の監視・指導を行いご指摘のような成果を得ることができました。
地元町会では、暑い中毎朝8時から夜9時まで、3名交代で監視を行いました。当初12名程度だった参加者が24名にも増えるなど、地域の方々の不法投棄撲滅への熱意が、このような結果につながったものと考えております。
この度の地元町会の方々の監視活動とその成果は当初の予想を上廻るものであり、いわば「協働」により地域での様々な事業を、住民の方々と共に取り組んで行こうという私たち行政側にも心強い経験とその結果であったと認識しております。
次に、外国人などに対する広報、啓発の必要性についてですが、地域の住民やまちの実態に即した情報提供、啓発活動が、必要であると考えます。
大久保小裏の不法投棄の際も、外国人が多いということから、ハングル、中国語、英語、日本語に加えて、タイ語に訳した看板を作成し、啓発活動をしました。外国人など、その地域に住む人々に基本的な生活ルールを知らせ、守ってもらうためのさまざまな手段を考え工夫し、実行していくことが肝心だと考えます。
また、同じ地域に住み、生活する者としていかに仲良く共存していくことができるかを話し合い、創り上げていく場を設けることも必要だと考えております。
次に、不法投棄をした者への「告発」についてのお尋ねですが、確かに不法投棄現場を捉え、警察との協力のもとで告発し、マスコミによる報道等があれば不法投棄防止へのPR効果は、大きなものがあります。
しかしながら、告発するまでには、十分な準備が必要となります。従って、区といたしましては、繰り返し行うなどの悪質な不法投棄者に対しましては、所轄警察との連携のもと、監視活動を行うなど、告発も視野に入れた対応を、検討してまいります。
次に、宅地建物取引業法第35条の重要事項説明に、「ゴミの集積所、出し方について」の項目を加えた新たな条例の制定を、とのお尋ねでございますが、区では、入居時のゴミの出し方等に対する説明を徹底し、ルールを守っていただくために、転入者には特別出張所などで、また、入居者には、区内宅地建物取引業教会の協力を得て、「正しいゴミの分け方、出し方」のパンフレットをハングル、中国語、英語、日本語の4ヶ国語でまとめたものを配布しております。
また、清掃事務所においては、外国人学生などに対するゴミの分け方、出し方の講習会を、排出状態のよくない所へは、ふれあい指導班による現場指導など、様々な形での指導、啓発を行っています。
ご質問の条例化につきましては一つのご提案と考えてますが、ゴミの分け方、出し方を徹底につきましては、指導・啓発を更に協力に進め、対応してまいりたいと考えております。