一般質問
私はJR新大久保駅の改築とそれに伴う駅周辺の環境整備、地域住民の協働、について一般質問をいたします。
質問に入る前に一言どのような視点でこれらの問題を捉えて行くか
私の考えを述べさせて頂きたいと存じます。
駅は都市生活者にとってまさに交通の要所であります。朝、住宅から、徒歩や自転車やバスで、駅まで出向き、そこで電車に乗り換え、通勤あるいは通学するわけです。
一方、区外の方々は逆に駅を降り、近所の勤め先や学校へ通勤あるいは通学するわけです。そこには駅を通過点として移動してゆく一人一人の利用者にひとつの線=ラインが出来、多数の利用者の線を重ねることによって面=ゾーンとして広がって行きます。
余談ですが、交通体系はつながってこそ意味があるわけです。それぞれを個々に取り上げても何の意味もありません。ネットワークが交通の本質であり、それぞれの交通手段が相互に影響し合うものです。先日のマニフェスト論争のなかで高速道路だけを取り上げて、無料化などの議論をし、結論を出すのは、この視点が欠如したものです。本当に無料化を行えば交通システムが混乱することは明らかです。
話は戻りますが、今回の質問では、駅を中心とした面=ゾーンとして捉え、そのような視点で環境整備の問題を考えて見たいと思います。
今回の質問の対象でありますJR新大久保駅は数ある山手線の駅の中で、唯一といってもよいくらい改築が遅れてきた駅であります。これは単に改築の順番や駅の敷地の狭隘さのみが理由ではありません。これには旧日本国有鉄道の不動産登記ミスにより、平成元年公衆電話ボックスが撤去され、代わりに突然建てられたワールドファイナンスの看板が間接的な障害となってきたことがあります。この土地は改札口に向かって右側、駅敷地の西北の角にあり、バブル崩壊とともにワールドファイナンスより整理回収機構の手にわたりました。そして昨年秋には競売に付され、JR東日本自身によってようやく買い戻されました。現在は更地となっております。この土地の件については地元商店街の役員の並々ならぬ熱意と新宿区の、JR東日本との交渉役を引き受けて頂くなどの積極的なバックアップがありました。
この問題の解決により改築問題は一挙に進み、本年2月にはJR東日本による地元説明会も開催され、今後は改築に向けて計画が粛粛と進んでゆくものと思われます。仄聞したところによれば、今年度中に設計が終了し、来年度よりバリアフリー工事、その後駅舎の改築が行われるとのことでした。
また改築に際しては地元商店会の30年来の道路拡幅計画が完成するものと考えています。このJR新大久保駅側道である、通称一番街道路の拡幅は主に防災上の観点から、地元の方々が自らの所有地を道路として無償で新宿区に提供したもので、最後の部分すなわち駅部分の拡幅が懸案として残っておりました。平成13年7月には地元が心配していた火災が、駅より50Mほど奥のところで起こりました。心配通り、駅から消防車が進入しにくかったということで、地元がJR東日本に話し合いを申し入れるという経過もありました。
JR新大久保駅の東側には補助72号線道路があります。この問題では地元百人町の方々を中心に計画の促進と買収済み用地の有効利用に向けて、近隣7町会や6商店街の方々から平成10年そして平成13年の過去2回、新宿区に対してお願いを行って参りました。その後も区財政が困難な状況のなか、新宿区には着実に用地買収に取り組んで頂いております。
以上、すでにご存知のことばかりとは思いましたが、質問の前に述べさせていただきました。
それでは質問に入らせていただきます。
第一に駅改築の進捗状況と新宿区の対応について質問させていただきます。JR新大久保駅の改築、特に工事に際しては財政的協力は別として、工事の円滑な進行のために新宿区として出来る協力は惜しまない姿勢でのぞんで頂きたいと思いますが、どのようなお考えをお持ちか、お伺いいたします。
余談になりますが、先ほどの財政云々の話は、新宿区が駅に一般的にお金を出すな、と言っているわけではありません。まさにケースバイケースであるといえます。具体的にいえば新宿駅の東西自由通路について区民の利用者が少ないのだから、新宿区はお金をだすべきではない」という議論を耳にしますが、私は「新宿駅は新宿区にとって面=ゾーンの観点から見ればまさに新宿区の顔であり、交通システムの要所であり、新宿区が積極的に関わることが大切である」と個人的には考えます。この議論については別の機会に譲り、第二の質問に移ります。
第二に駅周辺の整備、特にガード部分について伺います。
駅のバリアフリー化に関連して駅周辺整備として新宿区としてなにか考えていらっしゃるか、お伺いします。
ご存知のようにいわゆる交通バリアフリー法には地方自治体に駅周辺の整備事業をおこなう条項も盛り込まれております。
ガードが暗く、歩行者同士がすれ違うのがやっとです。自転車ですらなかなかすれ違えない状況で、朝よく見かけますが車椅子を押す方はさらに大変です。例えばガードの整備について何かお考えはありませんか。これまでも地元商店街が壁画を描いたり、照明の照度を上げるよう東京都第三建設事務所に働きかけたり、いろいろ取り組んでいます。新宿区としても地元の声を聞いていただいていることも、都道で新宿区が直接管理していないのはよく承知しておりますが、何らかの方法でよりガードを広く、明るくする必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
第三の質問に移ります。放置自転車と駐輪場について伺います。
この地域の放置自転車対策が地元町会・商店会と、新宿区との協働のさきがけとして大きな成果をあげています。私ども自民党の秋田博議員がコーディネーターとなり、地元町会、商店会が中心となり結成された大久保美化推進協議会が放置自転車や環境美化に努めてきたところであります。
さらに新宿区による放置自転車重点取り締まり地区として指定され、指導員が配置され、大きな効果をあげています。
さて駐輪場ですが、百人町一丁目側駐輪施設として、本年、一時的にしろ72号線用地に駐輪場が設置されたことは大きな改善であります。そこでお尋ねしますが、駐輪場の整備として用地確保が大変難しい問題とは思いますが、百人町一丁目側になんとか恒久的な駐輪場を設置できないものでしょうか。
第四にタクシー乗り場について伺います。
タクシーの利用者は限定されているとはいえ、住民や来町者にとってタクシーは便利な乗り物であります。しかし新大久保駅には現在路線バス乗り場はありますが、タクシー乗り場はありません。乗り場の整備を考えていかなければならないと思います。
しかし一方、夕方近くになると駅前の横断歩道上にタクシーが乗り上げ、信号に関わりなく客待ちをしている例をしばしば見かけます。これでは歩行者の安全は確保できません。そこで当面は横断歩道上のタクシーの客待ちを防止するため、横断歩道の前後に固定式のプラスチック製杭を設置してはいかがでしょうか。
第五に吸殻のポイ捨てについて伺います。
タバコの吸殻の問題ですが、まずは喫煙者へのマナーを啓蒙することが先決だとは思いますが、吸殻や散乱したゴミの清掃について自転車対策指導員にも手伝って頂いてはいかがでしょうか。すでに指導員の方々の中で、自主的に清掃活動もしていらっしゃるのを私も知っております。すばらしいことだと思います。
新大久保駅前に設置されている自立式の吸殻入れについてですが、
これは特に早朝の出勤時間には利用頻度も高く、それに比べ容量が小さく、構造の工夫が必要と思いますが、いかがでしょうか。
駅周辺での歩きタバコを助長することになるこれらの自立型吸殻入れを、今後どうして行くのか、新宿区の考えをお伺いしたいと思います。
第六に補助72号線について伺います。
72号線に関して歩行者の安全、防災上の観点から、百人町2丁目側の、一日も早い開通を望みます。現在のロッテ新宿工場裏の道路はご存知のように大変狭く、車道としても歩道としても適当とはいえない状況であります。計画部分の一部だけでも早く買収して、これを利用し歩道の整備を第一段階として早急に実現すべきと考えますが、いかがでしょうか。
第七に一番街道路の拡幅について伺います。
新大久保駅の改築に合わせ、側道である一番街道路の拡幅を一日
も早く実現して頂きたいと思います。とくに今後の駅舎改築工事
を考えると、先に拡幅を行わなければ改築工事も行えないと思わ
れます。この点について新宿区も地元商店会と話し合い、まずは
工事の安全性の観点からも道路拡幅からまず始めてほしいと思い
ますが、いかがでしょうか。
最後に百人町交番について伺います。
駅前といえば、往々にして交番が付き物であります。しかしその交番=皆中神社入り口の百人町交番は狭く老朽化し、そろそろ立替があっても不思議ではない状況であります。駅構内は無理にしても、駅に隣接したところに新しく出来ないものでしょうか。この地区は外国人が新宿区内でも突出して多いところであり、防犯問題は地元町会でも商店会でも大変関心の高い問題であります。新宿区としてどのようにお考えかお伺いします。
以上で私の質問を終わらせていただきますが、駅改築、駅周辺整備に関して、これまでも新宿区が地元住民、商店会とともに積極的に関わって頂いておりますことに改めて深く感謝申し上げ、私の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。
ただいまは区長よりご丁寧かつ所管外の事柄にまで新宿区のお考えをお聞かせいただき、ありがとうございました。
(これらの問題は本年第一回定例会でも同僚議員が代表質問の中で触れさせていただいた問題と重なる部分がありましたが、観点の違いもあり、質問させていただきました。)
今後とも地域住民とともに、より良い駅とその周辺環境整備を目指して新宿区の対応をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
答弁要旨
下村議員のご質問にお答えします。
駅改築の進捗状況についてお答えいたします。JRからは、エレベーター、エスカレーター設置等のバリアフリー化を含めた駅舎の建て替え等を平成16年度までに設計し、平成17年度以降に工事に着手する予定と聞いております。
区としては、これまでも地域住民とともに関係機関に働きかけてきたところですが、引き続き、この改築が近隣住民の意見や要望を十分反映したものになるようJRへ要請してまいります。
次に、鉄道等と交差するガード下の道路については、総じて暗いイメージがあり、大久保通りに架かるガード下についても、歩行者等にとって快適な空間とは言いがたい状況であることは認識しております。
新宿西口大ガード下の「みるっく」のようなスポット的整備は、まちのアクセントとして歩く人を和ませるものと思います。このようなことから、大久保通りは東京都が管理していますが、今回の駅舎改築を契機に、ガード周辺の環境整備を、東京都に働きかけてまいります。
次に、新大久保駅前には、自転車等駐車場がありますが、百人町一丁目側の方々が利用しやすいように補助72号線道路と予定地に暫定的に収容台数160台の自転車等駐車場を本年4月に開設しました。
ご指摘の恒久的な駐車場については、用地の確保など困難な面がありますので、路上を活用した整理区画の整備を検討してまいります。
次に、タクシー乗り場の整備に関しましては、将来の駅舎の形態や乗車客の動線等を勘案する必要があり、ガード下の整備同様に、駅舎改築を踏まえ、JR及び東京都等関係機関と協議してまいります。また、横断歩道上でのタクシーの客待ちについては、交通管理者である警察に対策を検討するよう申し入れてまいります。
次に、ポイ捨て吸殻等についてのお尋ねでございます。
新大久保駅周辺の環境浄化につきましては、地域の皆様の地道な活動に感謝しております。
自転車対策指導員のあり方については、放置自転車の私道整理とともに歩きタバコやポイ捨て防止の呼びかけ、さらに散乱ゴミの清掃など総合的に対応できる方策を検討しているところでございます。
また、区が設置している自立式吸殻入れは、ご指摘のように構造上の限界もございます。しかしながら路上の灰皿は、結果として路上喫煙や歩きタバコを助長している状況がございますので、今後は撤去する方向で検討しております。
大久保、百人町地区は、「新宿区民の安全・安心の推進に関する条例」の重点地区であり、区といたしましても、自転車、ポイ捨て、歩きタバコ等地域の環境問題に総合的に対応して行きたいと考えております。この実現にむけ、関係機関や地域住民との連携と協働に一層取り組んでまいります。
次に、都市計画道路補助72号線につきましては、全線に渡る早期開通を目指しておりますが、財政的背景や短期的整備効果を踏まえ、「大久保そよかぜ橋」南側から大久保通りまでの用地取得を優先的に進めたいと考えております。
ご指摘の百人町二丁目側の歩行者道路の整備については、歩行者の利便や安全性の向上とともに、買収済みの用地の有効活用のため、現在最重点区間として、その早期整備に向け積極的に土地所有者と折衝を重ねているところでございます。
次に、一番街道路の拡幅につきましては、地元の協力を得て、大部分が完了しておりますが、残りの新大久保駅部分につきましては、駅舎改築に先がけ拡幅が実現するよう、JRに要請してまいります。
次に、百人町交番の新大久保駅付近への移設についてでございます。
この度、駅舎の改築が行われますので、交番の移設の可能性について関係機関と調整を図ってまいります。