代表質問
私は、自由民主党区議会議員団を代表して、区長、教育委員会、選挙管理委員会に質問いたします。誠意あるご答弁をお願いいたします。さて最近、国民の関心を呼び、大きな議論を巻き起こしたのは「イラクの人質問題」、「小泉首相の北朝鮮再訪問」、「国民年金の改革問題」であります。イラクの人質問題では、「自己責任」というキーワードをめぐって、様々な議論が繰り広げられました。また「個人と国家のあり方」の関係についても大きな議論を呼びました。私は、すぐに岩波新書の池田潔氏の「自由と規律」という名著を思い出しました。イギリスのパブリックスクールでの生活を解説した著作ですが、「自由は厳格な規律の上にこそある」という氏の見解は、発表から何十年も経過した今日でも一定の見識を示していると思います。「海外からも彼らの行動は賞賛されている」といった論調がありましたが、これはイラクという危険な地域に命を顧みず、日本人が自らの意思でボランティアとして行ったこと、これらが評価されているのであって、自衛隊派遣反対や反戦活動が評価されたのではありません。一部マスコミと国民はこの点を誤解していると思います。いずれにしろ米国との協調の中で日本の国益をいかに守るか、いかに国際貢献を行っていくか、慎重な政府の判断が望まれます。小泉首相の北朝鮮再訪問によって、曽我さんの家族の帰国は実現しませんでしたが、蓮池さん・地村さん家族5人の帰国が実現し、残る十人の安否不明者についても白紙に戻し、再調査されることとなりました。今回の再訪問でこれまでのこう着状態から扉が開かれ、両国の話し合いの道が再びできた事は一歩前進であり、評価できると思います。確かに拉致家族・不明家族の皆様の気持ちは痛いほど分かりますが、ここは冷静に対処し、今後の政府の対応に期待したいところであります。また「国民年金の改革問題」では、改革の本論から離れて、議員や評論家、マスコミのキャスターまで含めて「未納だ、未加入だ」で白黒を分けているだけで終わってしまった感があるのは誠に残念です。現在の年金制度は単純化して言うと、世帯間の所得移転が基本になっており、少子化が進展すれば、また現世代が貯蓄よりも消費を、将来よりも現在を、より強く選好するようになれば、問題が生ずる可能性があります。若い世代にも納得できる更なる改革が望まれます。
〈質問〉
さて、質問に移らせていただきます。私は昨年4月新宿区議会議員になりましてから、いわゆる一年生として公的分野、すなわちパブリックセクターの活動について、いくつかの点を改めて学び直してみました。とくに「いかなる理論で公的分野はその活動が正当化されるのか」、また「区民のニーズがあれば、どんな分野でも、公的分野として自治体が直接取り組む必要があるのか、」という点を調べ直しました。
いわゆる公共経済学の理論によれば、自治体の公的活動は原則として次の分野に限られます。現在の経済システムの基本は市場経済プラス公的部門の混合システムですが、スティグリッツによれば、市場の失敗がある次の5つの場合は、公的介入あるいは公的活動の意義が積極的に認められています。一、競争の失敗、二、公共財、三、外部性を持つ財、四、不完全市場、五、情報の失敗です。さらに市場経済は所得の再分配には関知しないわけで、この点でも公的部門が介入する余地があリます。しかし、これらの公的サービスの、すべてについて、公的部門が直接に行わなければならないという考えは、もはや古いといわざるを得ないと考えます。そのサービス提供のあり方については、民間、NPО、その他組織がこれをになう条件が整ってきている、あるいはすでに行われているというのが現在の状況ではないでしょうか。
さらに公的部門のもうひとつの理論として「セーフティーネット」の考え方が最近議論されています。これは、オーソドックスな考え方で言えば、「公的部門は社会的に弱者になった人々を一定の水準まで引き上げる、自立した後は市場経済システムの中で、本人の自助努力にまかせる」という考え方です。これは特に福祉の分野への適用が考えられます。従来の福祉の考え方は所得再分配に基礎をおくもので、扶助に力点をおくものでした。
さて、以上のような「理論的に公的活動が裏付けられる分野」であっても、自治体の公共経営すなわちパブリックマネジメントの重要性が、最近盛んに議論されています。公的部門の諸活動の問題を、制度や法令の観点から解決するのが従来の手法でしたが、それらでは解決できない問題があるという認識を持ち、経営学や経済学の考え方から、柔軟な思考で事実を見つめることが大切であると主張されています。
さて、区長は「所信表明」や昨年の「職員への訓示」のなかで、ご自分の区政運営の基本姿勢について、つぎのように述べられています。「基本目標は都市型コミュニティーの再生であり、そのために現場を重視し、区民との情報の共有化の中で、区政の透明性を高め、そして区民との協働による区政運営をおこなう」というものです。さらに職員に対しては自己決定と自己責任の気風を求めてゆくと述べています。このような区政運営の姿勢は、まさに今述べた公共経済学、セーフティーネット、パブリックマネジメントの考えに沿った新しい観点で公的分野に取り組もうとする、区長の意欲を示すものと高く評価できます。すなわち、現場重視は縦割り行政の弊害への挑戦であり、透明性すなわち区民との情報の共有化は、区民への説明責任の重視であり、コストをより意識した効率的な経営であります。そして協働とは従来の対応では解決できない課題への民と公の取り組みを示すものであり、多様なニーズにあわせた多様な公的サービスのあり方を追求するものです。
私はこれらの区長の基本姿勢に大いに賛成でありますが、さらに次の点を付け加えたいと思います。すなわち「失敗を恐れないチャレンジ精神の育成と敗者復活」についてであります。日本経済の再生が言われて久しいわけですが、そこでのポイントは企業家精神の育成、新規事業の創出であります。
そこで、第一の質問をさせていただきます。
公的部門ではその性格上、失敗は安易に許されるものではありませんが、果敢にチャレンジすること、その精神を奨励すること、万が一失敗した場合、その原因を解明すること、そして何よりも意欲のある失敗者には復活の機会を与えること、そのようなことを念頭にぜひ組織作りを目指していただきたいものだと思います。区長はこの点いかがお考えでしょうか。さて、以上の基本姿勢を踏まえ、以下具体的課題として3つの問題「IT」「NPO」「PFI」について触れてみたいと思います。
まず第一にIT=情報革命を取り上げます。政府はe-Japan戦略を2001年に発表しました。これは情報インフラの整備が中心でしたが、これにより現在ブロードバンドの通信料は世界でもっとも安い水準にまで到達しました。さらに戦略Uを昨年2003年7月に発表。ITをいかに社会の中で活用して行くか、7つの分野を挙げています。この中に行政サービスも入っています。目標は利用者本位の行政サービスの提供、効率性の高い簡素な政府です。その第一歩として、住民基本台帳システムが昨年から、電子申告・納税・申請システムなどが、この6月から始まります。さて、新宿区に振り返って見ますと、着実にその段階を登っていると評価できると思います。
そこで、第2番目の〈質問〉をいたします。IT革命が進む中、情報の電子化を進めることに伴う問題点について、どのように認識しておられるのか、区長にお聞きいたします。IT革命の光の部分はネットワーク網の整備による効率性の追求と、情報の共有化であり、将来のEデモクラシーの可能性であります。影の部分は第一にプライバシー保護であり、第二は危機管理の問題です。
新宿区では先に「セキュリティーポリシー」を定めました。このことは大変意義深いことです。とくに、情報セキュリティーを確保するための組織・体制における区幹部の責任や権限、あるいは情報資産の重要度別分類が明確になったことの意味は大きいと考えます。
そこで、第3番目の〈質問〉をいたします。
このセキュリティー対策をより確実にするためにも、私は、その実施状況をチェックすることが非常に重要であると考えます。チェックするに当たっては、内部で行うという方法もありますが、この際、外部の専門家を招いてのチェックというのは、いかがなものでしょうか。このような、情報セキュリティー体制に対する外部監査は、非常に意義のあることではないでしょうか。お考えをお聞かせください。
最近よく言われるのがEデモクラシーへの挑戦です。IT革命の光のもう一つである情報の共有化による区政改革です。
区民との窓口としての新宿区のホームページは高い評価を得ていると思いますが、私は特にこの面から電子掲示板に注目しています。公開討論会は日本人にまだなじめない面があるのかも知れませんが、その役割は将来重要となると思います。
そこで、第4番目の〈質問〉をいたします。
区として掲示板に加え、さらにメールマガジンの配信を将来考えてはいかがでしょうか。小泉首相もメールマガジンを発行してすでに3年目を迎えています。メールマガジンは区民と区長を結ぶ架け橋のひとつになるのではないでしょうか。昨年の区民意識調査によれば、すでに区民の半数がパソコンを持ち、その9割がインターネットを生活の中で利用している時代です。広報誌の果たす役割は依然として高いものがあり、デジタルディバイド、情報リテラシーの問題もありますが、メールマガジンは速報性と正確性を兼ね備え、なにより双方向の情報交換が可能であります。
次に協働の担い手であるNPOについて伺います。その数はまさに倍倍ゲームで拡大を続けています。しかし一方でNPOも「玉石混交の時代」を迎えつつあると言われています。新宿区でも様々なNPО活動を支援するための施策が始まっていますが、一方でNPOと協働をする区民への施策も必要となってくると思われます。
そこで、第5番目の〈質問〉をいたします。
区民のために新宿区もNPO団体の登録制度を作ってはいかがでしょうか。国では認定制度がスタートしたようです。国レベルでNPOの数は10000を超えたにもかかわらず、国の認定NPОはわずかに数十団体のみという話を聞きます。これには国から認定されたNPОが原則非課税となるなど大きな特典があり、審査も厳しくなっているからのようです。しかし、それほど厳格なものではなく、区民に関係するNPOの基本的な情報を伝える、申請を基本とした「新宿区登録NPO制度」を発足させてはいかがでしょうか。代表者や主要な構成員はどのような方々なのか、どのような活動内容であるのか、所在や簡単な経理内容に関する情報を提供していただき、区民が必要な時、いつでもその情報をえる事ができる制度を整備する必要があると思います。
続いてPFI=民間資本の活用による社会資本整備の導入について質問いたします。
施設白書を見るまでもなく、区施設の老朽化は進み、これからは既存の施設の大規模改修・建て替えが早晩やってきます。小学校・中学校など学校施設の建て替えとなれば、それにかかる費用は莫大で、一校およそ30億円くらい掛かるとも言われております。
一方、投資的経費は厳しい財政運営により極端に抑えられています。区の財政運営努力と区民の協力により、特別区債の残高は減少傾向であり、財政調整基金も一定水準を回復しつつあります。「ハコモノ」行政は終わったとはいえ、大規模改修や建て替えの財政需要は待ったなしで、少子高齢化の影響を考えれば、資金調達の手段を多様化しなければ、到底これらの問題に対応できないと思われます。
そこで、第6番目の〈質問〉をいたします。
今後予想される区施設の建て替え・改修についてPFI方式を導入してみてはいかがでしょうか。すでに他の自治体ではいくつかの例もあると聞いております。長期にわたる契約という問題もありますが、この方式のメリットを生かし、積極的に導入を検討するべきだと考えますが、いかがでしょうか。もちろん、様々な形のPFI手法があり、財政負担の平準化という点では、借り入れと実質的には同じではあります。しかし民間事業者の参入により新たな公民のパートナーシップの形成やBOT方式であれば、区の資産を膨らませないメリット、キャッシュフロー上の利点があります。厳しい財政運営を迫られている中においては、このようなメリットのある手法をどのような施設に適用できるか、なじまない施設もあると思われますので、早急に検討に着手する必要があると考えます。特に、設備の老朽化が問題となっているような大規模施設や庁舎などを事例として研究してみてはいかがでしょうか。
次に、区政上の個別の問題について以下、一、障害者福祉、二、防災教育、三、都市再生と歌舞伎町の治安回復、四、区長・区議選挙、について質問いたします。
まず、初めに取り上げたいのはまさに先ほどのセーフティーネットの考え方に基づく公的部門の大きな役割である福祉、とくに今回は障害者福祉について質問したいと思います。
これまでの障害者福祉政策を歴史的に考えて見ますと、2つの大きな流れがあります。
ひとつは「施設から地域へ」であり、グループホームの活用が課題となっています。
これはまさに自らの手で自立し、市場システムの中へ積極的に入っていこうとするものであり、セーフティーネットの考えを具体化する第一歩であります。新宿区では先進的にあじさいホームを建設してから、すでに3年がたちました。現在、心身障害者施設「ひまわりホーム」と知的障害者施設「どりいむハウス」の建設に向けて、前進を始めました。昨年財政的な負担がネックとなって計画変更を余儀なくされましたが、新宿区の協力のもと、再び前進を始めました。新宿区の努力に敬意を表したいと思います。
そこで、第7番目の〈質問〉をいたします。
これらのグループホームの整備について取り組む区の姿勢をお伺い致します。今ひとつの大きな流れは「措置制度から契約へ」であります。昨年4月より国の制度として「支援費」の制度がスタートいたしました。この制度の導入は新しい障害者福祉のあり方を具体的に指し示すものであります。
そこで、第8番目の〈質問〉をいたします。
支援費制度は国の制度ではありますが、区として利用者からの意見をどのように把握していらっしゃるのか、区も執行者として改善できる点があるのではないでしょうか、お聞かせ下さい。さて、障害者の問題ばかりでなく福祉全般に言えることですが、「福祉は様々な状況の中で様々な問題があり、ほとんど個別に近い問題である」という認識も大切であると思います。そこで視力障害者を例にとっていくつか具体的に考えて見たいと思います。視力障害者にとって先ほどの支援費のことを考えて見ますと、ガイドヘルパー制度との関係があります。措置制度から支援費制度への移行に伴い、視力障害者の社会参加を制約するものであってはならないと思います。
さらに現在のような所得に応じた費用負担は、応分負担という趣旨では大変良いと思うのですが、一方で結果として家族と同居し世話になっている場合、家族への負担をためらい、活動に自ら制約をしてしまうようなケースも出てきているやに聞いております。
ガイドヘルパーの問題は23区によってばらつきがあるようですが、各区の事情はわかりますが、あまりこのばらつきがあるのはいかがかと思います。視覚障害者の生計を考えて見ますと、目の不自由な方々の生活を支える伝統的な鍼灸マッサージ業は多くの新規参入者に圧倒されているのが現状です。天職と考えてきたこれらのマッサージ業は、最近駅前のリフレッシュサロンなどという灰色の業態によって、急速にその仕事を奪われています。視覚障害者が有資格者であり、法的な制約を受けているのに比べ、これらのほとんどは効能をあいまいにし、無資格者が行っています。消費者は手軽で駅前にあるこれらの店舗を利用しているのが実情です。
また、視力障害者にとって交通バリアフリーも大きな問題です。例えばJR高田馬場駅周辺には盲人施設が3つあり、それぞれの道には点字ブロックが設置されていますが、しかし不心得な人たちが点字ブロック上に自転車を放置しているのが見受けられます。
そこで、第9番目の〈質問〉をいたします。
点字ブロック上に放置してある自転車は即時撤去となっているのでしょうか、すくなくとも放置自転車の移動に関して適切な処置がとられているのか、お伺い致します。
続いて防災問題について質問いたします。
昨年、地域のシンポジュームに端を発した震災発災前の耐震補強についての議論は
耐震診断のCG作成ソフトの開発など、一定の成果を生んでいます。なにより区長のリーダーシップにより行政内部、議会内にその重要性が認識された事の意味は大変大きいといえます。ここ数年、東海地震や関東直下型地震の発生がいよいよ近づいているという報道がなされていますが、いつ来るか分からないとう自然災害の根本的な問題はそのままです。そこで、耐震化施策の推進とともに、従来からの震災後の対策についてもその手を緩めることなく、その準備を着々と進めていかなければなりません。
そこで、第10番目の〈質問〉をいたします。
震災時の協力協定を結んでいる団体は現在どのくらいあるのでしょうか。どんな救援活動でも救援をする側とされる側にわかれるわけですが、救援をする側が多ければ多いほど、その活動は効果的になるわけです。多様な団体にお声をかけていただきたいと考えます。たとえば青少年育成団体などに呼びかけてはいかがでしょうか。他区では例もあるとお聞きします。
次に、第11番目の〈質問〉をいたします。
中学生の防災教育の一環として、区が地域に配備している小型消防ポンプの操作講習を取り入れはいかがでしょうか。
この提案は、過去にも委員会の中で他の会派から提案されているように聞いておりますが、実際に区立大久保中学校では、新宿消防
団第六分団の協力のもとにポンプ操作講習や初期消火訓練を実施しております。さらに数校では卒業時に応急救護訓練も実施されて
いると聞いています。中学生は体も大きく、救援ならびに消火活動をこなす体力と気力を十分備えていると思います。さらに、発災直後から各地域の学校は、消火活動の拠点として、その後は避難所となる中で、彼らは大いにその力を発揮することでしょう。ぜひ、新宿区の中学校全体に広げていただきたいと考えますが、教育委員会のご見解をお聞かせ下さい。また、このことは消防団にとっても大きなメリットがあります。すなわち新宿区のような大都会ではなかなか消防団が住民の目に
直接、活躍する姿を見せる事が出来ないわけで、消防団活動の広報として、とくに新宿区の将来を担う中学生へのメッセージとしても
意義のあることと思います。以下は報告と意見であります。現在、新宿消防団初め区内の消防団はつねに定員不足と新入団員
勧誘に頭を悩ませています。
また消防団の団員士気を高めるために、もっとも効果の上がるものはまさに訓練であり、それも実践に即した訓練であると考えま
す。
新宿消防団では一昨年、3階建ての都営住宅を使い、消防団主導の模擬消火訓練を実施いたしました。また本年は新宿消防署に泊り込み、実際の職員勤務を体験する予定となっております。その参加意欲は大変高いと聞いております。
次に「まちづくり」の観点から都市再生と歌舞伎町の治安回復について質問いたします。
自由民主党では昨年の衆議院選挙においてマニフェストの中で日本の治安の回復を重点課題として取り上げました。その象徴として首都東京、東京の中心である新宿=歌舞伎町が選ばれ、つい先ごろ額賀政調会長による地元商店会、住民、企業からのヒヤリングが
行われました。そこで「歌舞伎町刷新プラン」が発表され、今後三年間推進してゆくこととなりました。
都市再生と歌舞伎町を中心とする地域の治安回復は、まさに車の両輪のような関係であると私は考えます。単なる治安の回復を狙った取締りの強化だけでは、到底地元の理解も得られないし、その効果も限定的となるでしょう。まちづくりの観点から強力な都市再生の施策の実行があって初めて、治安の真の回復が図られるものと思います。
昨日は山田議員から同様の趣旨のご発言がありました。ぜひ歌舞伎町の再生に、ご一緒にほうきを持って街づくりをいたしましょう。
そこで、第12番目の〈質問〉をいたします。
歌舞伎町刷新プランは、まだまだ地元との調整が必要な面が多々あるとは思いますが、ぜひ新宿区としても千載一隅の機会と捕らえ、全力で地元の商店会、住民、企業との連携を図っていただきたいと思いますが、区長のお考えをお聞かせください。最近、地元の商店会が歌舞伎町の映画館街の広場をシネシティー広場と命名して、「経済構造改革特区」を活用して、町の再生の起爆剤にしようと計画しています。これは地域振興の点で大いに参考になるのではないかと思います。例えば、JR新宿駅周辺やJR高田馬場駅周辺でも広場やロータリーがあり、それぞれ法的には道路でありますが、さまざまな規制も多く、これを利用したイベントや民間利用が、ともすれば制約を受けてきた面があると思います。特区を利用しこれらの規制を撤廃して、地域の活性化に役立てては、いかがでしょうか。
さて、私の質問もいよいよ最後となりましたが、選挙管理委員会にお尋ねいたします。
区政にとって投票率のアップは民主主義の根幹であり、重要な施策のひとつであります。そして、選挙が行われるたびに問題となる
のがこの投票率であります。近年の傾向は常に低迷しており、区長、区議会議員のどちらの選挙とも大きな課題であります。
根本的には政治の側から、適切な区政上の課題について問題提起し、これらを争点に区民の関心を呼び起こし、区民の判断を仰ぐというスタイルが望ましいことであると考えます。また一方、従来同時に行われてきた区長選挙と区議会議員選挙が、やむを得ぬ事情により、別々に行われました。投票率アップの点からもまた経費削減からも、これらの選挙を従来のように同時に行う必要があると考えます。これに異論のある方はないと思います。
そこで、最後の〈質問〉を選挙管理委員会にいたします。
区長選挙・区議会議員選挙について「同時選挙を行う」あらゆる可能性を考えるべきではないでしょうか。法律的な障害を越える研究をしていただきたいと思います。例えば特区制度などを利用してはいかがなのでしょうか。選挙管理委員会のお考えをお聞かせ下さい。
以上で私の代表質問を終わります。自由民主党区議会議員団はこれからも失敗を恐れず、これらの課題に果敢にチャレンジしてゆく
ことを明言し、質問を終わります。長時間、皆様にはご清聴いただき、誠にありがとうございました。
答弁要旨
下村議員のご質問にお応えします。
初めに、行政運営上の組織づくりについてのお尋ねです。
従来、行政が行う事業については、公平性、均質性、安定性が重視され、結果として慎重になりすぎたチャレンジ精神に欠ける場合がありました。しかし、これからは、新たな時代のニーズに的確に応えるかたちで施策を展開することが、行政に課せられた大きな責務になると考えます。
これまでの行政の実施方法について大幅に見直し、公共サービスのあり方を追求し、多様な地域組織と協働するなど、果敢に挑戦していく姿勢が必要です。 時代の流れは速く、立ち止まってはいられません。果敢な挑戦には当然大きなリスクが伴いますが、失敗を恐れて変革をためらうことなく、職員のチャレンジ精神を生かしながら、新たな公共経営を目指してまいります。 失敗者に復活の機会をとのご指摘ですが、新たな事業の検証の結果、問題が生じてきた場合には、個人の責めに帰することなく、その原因を解明し、組織として速やかに対応するなど、意欲ある職員のチャレンジ精神が萎縮することのないような、組織運営を心がけてまいります。
次に、情報の電子化を進めることに伴う問題点についてのお尋ねです。
ITの進展により、区民に利便性がもたらされる一方で、不正アクセスによる情報の改ざんや個人情報の漏えい、コンピュータウイルス感染による業務停止など、電子化を進めることに伴う情報セキュリティの問題が生じてきています。また、毎日のように、個人情報の漏えい等のセキュリティに関する事件が報じられています。
このような状況を踏まえて、区においては、ファイアウォールの二重化、IDSと呼ばれる不正進入検知システム、アクセス制御やネットワークの24時間監視などの対策を、積極的に取り入れてまいりました。
加えて昨年度、区の情報セキュリティ対策について総合的、体系的かつ具体的に取りまとめた新宿区情報セキュリティポリシーを策定しました。信頼性の高い情報セキュリティ体制を築くためには、この情報セキュリティポリシーの適正な運用が不可欠であり、そのために、全職員による日常的な取組みを行っています。
また、ITを使いこなせる方とそうでない方との間に生ずる格差の問題、いわゆるデジタル・デバイドの問題があります。ITにより、有益な情報を迅速に提供できたとしても、利用できなければ意味がありません。そこで、ITを利用しやすいものにする取組みが重要になり、区においては今年度、より利用しやすいホームページを目指して、ホームページのバリアフリー化を実施します。
今後も、区民がIT革命のメリットを等しく受けられ、また、情報セキュリティレベルの高い電子区役所の実現を目指して、継続的に取り組んでまいります。
次に、情報セキュリティの外部監査についてのお尋ねです。
情報セキュリティ対策の向上には、計画、実施、評価、見直しの、いわゆるPDCAサイクルの実施が不可欠とされています。情報セキュリティ監査は、このうちの評価に当たるもので、高度な情報セキュリティ対策を実現する上での、重要な要件となっています。
区においては、今年度中に、職員による情報セキュリティの内部監査を実施します。しかしながら、最近の区民の情報セキュリティに対する意識の高まりを考慮しますと、更に専門性及び客観性の高い情報セキュリティ監査の在り方が求められていると考えています。このような状況を踏まえ、実施要網を始めとする関連規定の整備や監査項目の精査など必要な調査・検討を十分に行った上で、専門家による情報セキュリティの外部検査を、可能な限り早く実施していきたいと考えています。
情報セキュリティ外部監査につきましては、実施することにとどまらず、その結果についても、必要に応じて区民に公表するとともに、積極的に情報セキュリティ対策に反映させ、信頼性の高い情報システムを構築してまいります。
情報技術は、近年、急速に発展し、特に情報の即時共有、双方向情報交換の面では大きな可能性を秘めていると考えます。
区としましても、そうした可能性を現実のものとするため、平成11年11月のホームページ本格稼動以来、今日まで内容の充実に努めてまいりました。
さらに、今年の4月には、私から直接メッセージを発信するページを「区長の部屋」に作りました。
また、電子掲示板についても、昨年7月に「電子会議室」を立ち上げたところですが、今後、取り上げるテーマや運営方法に工夫をこらし、双方向情報交換を進めていきたいと思います。
次に、メールマガジンにつきましては、情報提供において多くの方に、速やかに直接情報を届けることが可能となりますが、さらに一人一人のニーズにあった情報発信、双方向性の確保を実現するには、管理運用や技術的な課題が残されています。
今後は、こうした課題に対応した情報発信技術の進展も視野にいれながら、区民の皆さん一人一人のニーズを大切にできる情報発信や、区と利用者及び利用者相互の情報交換が可能なシステムを目指して検討してまいります。
次に、NPOの登録制度についてお応えいたします。
新宿区には300を超えるNPOが事務所を構えています。しかし、所在地や経理の内容などを含め、どのような活動を行っているのかなど、NPOの情報が区民の皆さんに十分行き届いていないのが現状です。
そこで、ご指摘のような「新宿区登録NPO制度」を7月から発足させる予定です。登録にあたっては、代表者名や連絡先をはじめ、運営状況、活動内容、区民へのメッセージなどを登録内容として整理し、区広報やホームページに掲載するほか、区役所や特別出張所でも閲覧できるようにしてまいります。
NPOの活動内容等について、的確に情報提供することにより、多くの区民の皆さんが、NPO活動を理解しNPOとの結びつきを強めることで、協働を推進する環境を整えてまいります。
次に民間による社会資本整備いわゆるPFIについてお答えします。
ご指摘のように、区有施設の大規模改修や建替えには大きな財政負担が生じます。その点で、事業コストの削減と、より質の高い公共サービスの提供を目指すPFIは、施設の更新の際の一つの有力な方法であると認識しています。
区では、平成12年度にPFIについて研究しましたが、当時は、法改正が待たれる状況であったことや、PFIに適した公共施設整備の予定がなかったことから、具体化には至りませんでした。
その後、区では、民間の資金や能力を活用した公共サービスの提供として、牛込原町小学校跡地を貸し付けて、民設民営の介護老人保健施設や保育園を誘致するなど公有地に取り組んできました。
今後とも民間のノウハウを生かして財政負担を軽減できるような手法を検討し、取り入れて行くことが必要であることは、ご指摘のとおりです。
次に、PFIの適用が可能な事例の研究についてですが、法改正により事業者に対する行政財産の貸付けが可能となったことや指定管理者制度の創設など、PFIを導入、実施する条件整備が進んでいますので、その可能性について研究していきたいと思います。
次に、障害者福祉についての質問にお答えします。
まず、グループホームの整備についてです。議員ご指摘のとおり、現在、障害者福祉の分野においては、ノーマライゼーションを具体化するため、「施設から地域へ」という考え方が大きな流れとなっています。これに不可欠なグループホームの整備については、新宿区障害者計画の中でも重点課題の一つに掲げ、積極的に推進しているところです。具体的には、社会福祉法人による区内設置計画に対する支援を行うことにより、これを果たしていくことを考えており、すでに、重度身体障害者グループホーム「あじさいホーム」については、社会福祉法人に対する運営費助成を行っているところです。今後も、同じく社会福祉法人が区内設置を計画する重度重複心身障害者グループホーム「ひまわりホーム」、重度知的障害者グループホーム「どりいむハウス」等に対し、できる限りの支援を行い、グループホームのサービス基盤を拡充して行きたいと考えています。
次に、支援費制度の執行にあたってのご質問です。支援費制度は国の制度ではありますが、具体的に区民の皆さんに対してどのようなサービスをどれだけ提供できるかは、区に任されているともいえます。区としては、サービス基盤の充実を図るとともに、制度運用について障害者団体等のご意見をお伺いし、また、勘案事項調査等において一人ひとりのニーズをきめ細かくお伺いするなどにより、利用者意見の把握に努め、より良い支援費制度の執行を行って行きたいと考えています。
次に、視覚障害者ガイドヘルパーについてです。視覚障害者ガイドヘルプは、障害者の社会参加を支援するもので、支援費制度上、移動介護サービスと介護サービスの一つとして位置づけられています。また、移動介護サービスは、全身性障害者、知的障害者及び障害児も利用できるサービスとなっています。
したがいまして、視覚障害者ガイドヘルプの利用者負担額については、他の居宅介護サービス同様、国の基準に従い、所得に応じた単価限度額及び上限月額の範囲内で定めています。障害者間の公平性の観点から、支援費制度の原則どおりの運用を行っているものであり、ご理解いただきたいと思います。
次に、視覚障害者の生計としてのマッサージ業の状況についてです。伝統的な鍼灸マッサージ業が視覚障害者の方々の重要な生計手段となっていることにつきましては理解しております。また、近年の晴眼者のマッサージ業への新規参入及びリフレッシュサロン的なものの増加によって、視覚障害者の方々が脅威を感じておられることについても承知しているところです。
このような中で、視覚障害者の皆さんの自立をどのように促進していくかということにつきましては、今後とも、当時者の方々のお話を伺いながら、検討してまいりたいと思います。
次に、点字ブロック上の放置自転車の問題についてお答えします。
高田馬場駅周辺の放置自転車対策として、現在、地域の皆様と放置防止や自転車駐車場等の利用を呼びかける啓発活動を行うとともに、放置自転車の撤去活動を毎週1回実施しています。この結果、放置自転車は、平成7年には約2300台ありましたが、昨年度の調査では約360台まで減少しています。
ご指摘のとおり放置禁止区域内にある点字図書館前の道路上にも自転車が放置されていることおありますが、整理指導を毎日行うとともに、毎週撤去活動を行っています。今後、さらに放置禁止区域外にある視力障害者実施周辺にも放置防止の看板を設置するなどして、放置自転車の防止に努めてまいります。
次に、防災についてのお尋ねです。
まず、震災時の協力協定を結んでいる団体数についてです。現在、相互協力協定を46の自治体と結ぶとともに、区の災害対策活動に協力していただくための協定を47団体と結んでいます。
次に、多様な団体との協力協定の推進についてのお尋ねです。
区としては、災害対策活動を効果的に進めるには、多くの団体との協働が欠かせないとの立場から、現在も複数の団体と協力協定を推進していきます。
また、青少年育成団体との協力協定については、すでに日本ボーイスカウト東京連盟新宿地区委員会との間で、避難所運営等でどのような協力をしていただけるか、話し合いをしていますので、できるだけ早く協力協定を締結したいと考えています。
教育委員会に対するお尋ねにお答えします。
中学校教育に消防活動を取り入れては、というご提案でとざいますが、各中学校では、既に避難訓練・防災訓練、安全指導の時間を教育課程に位置づけ、計画的に防災に関する教育を実施しているところです。さらに、地域の防災や災害時のボランティア活動の大切さについて中学生が理解を深めることは、教育委員会としても、重要であると考えております。
大久保中学校が毎年、新宿消防団と連携した消防活動を実施しており、今年度は牛込第二中学校、早稲田小学校においても、牛込消防署と牛込消防団と連携した合同防災訓練を行い、中学生でもできる救命・救出作業を行ったところです。 今後は、小型ポンプの操作講習等も視野に入れ、消防団や地域と連携を密にした防災訓練を前中学校で取り組み、広げていけるように検討してまいります。
次に「まちづくり」の観点からの都市再生と歌舞伎町の治安回復についてのお尋ねです。
都市再生と治安回復の取り組みは、ご指摘のとおり、歌舞伎町のまちづくりの両輪であると考えます。
歌舞伎町のまちづくりについては、安全な歌舞伎町を築き、誰もが安心して楽しめるまちへと歌舞伎町を再生することを目的として、推進していきます。
4月末には、全庁的な対策組織である歌舞伎町対策推進会議を設置し、5月末には、関係機関・地元団体と一体となって、歌舞伎町クリーン作戦推進協議会を立ち上げ、歌舞伎町の環境浄化を図るべく、現在、クリーン作戦の準備を進めているところです。
今回の「歌舞伎町刷新プラン」のねらいとする「老若男女を問わずそれぞれが安心して楽しめる多文化共生の街を創りだす」ことは、区の進めてきている歌舞伎町のまちづくりと考え方が重なるものです。
歌舞伎町のまちづくりを進めていく上では、地元の商店会、住民、企業等の関係権利者が連携して進めていくことが、なによりも大切であると考えますので、引続き、関係機関、地元団体が一体となって、歌舞伎町のまちづくりを進めていきます。
次に、構造改革特区により、地域に広場の活用を任せるとのお尋ねです。
歌舞伎町のシネシティ広場については、通年的に文化・観光イベントができる「広場」としての活用方針を定め、映画「トロイ」で使われた木馬の展示の共催を行うなど、歌舞伎町からの文化の新たな風をふかせるべく、地域の皆様の取り組みを積極的に支援しているところです。 地域が主体となった広場の活用は、まさに地域の活性化やまちの再生への起爆剤へとつながるものです。
道路を広場として活用するための規制緩和を目的とした構造改革特区については、個々の申請によることなく、全国を対象として展開していくことが、既に、認められています。 規制緩和に必要な手続きを円滑化するための措置については、警察庁から通知が出されていますので、シネシティ広場の活用が地域の活性化の先駆けとなるように、区としても、警察に対して、積極的に働きかけを行っていきます。
また、まちづくりについても、ご指摘のとおり、多岐にわたる総合的な課題であるため、都市再生法などの活用も視野に入れ、幅広く、地域の皆様とともに検討してまいります。
選挙管理委員会に対しますご質問にお答えいたします。区長選挙と区議会選挙を再び同時選挙として実施できるように努めるべきではないかとのお尋ねでございます。
確かに同時選挙は、選挙に対する関心の高揚・投票日の周知徹底・選挙人の負担軽減等により、ご指摘の投票率の向上や選挙執行経費の削減に効果があり、統一地方選挙を行う目的の一つでもあります。
しかしながら、現行法上、同時選挙を行なえる議員と長との任期満了日の期間は、統一地方選特例法では3月1日から6月10日の間、公職選挙法の特例規定では90日以内であり、5ヶ月余となる当区の場合は対象とはなりません。任期満了後、同時選挙までの間の議会や長の長期の不在を避けるため、このように期間を限定しているものと考えられます。
一方、統一地方選挙の統一率が30%台まで落込み、定投票率の要因ともなっていることを踏まえて、議員及び長の任期延長等の調整を含む地方選挙の再
統一のための法律案が、これまでも国政における課題として論議されています。
従いまして、同時選挙を可能とするための法的措置につきましては、国の立法政策として十分な検討を経て対応されるべき課題であり、選挙管理委員会が構造改革特区として提案することは現在考えておりません。
また、任期満了前の長の失脚あるいは議会の解散により同時選挙を実現する方法の適否につきましても、現段階では判断する立場にはありません。 なお、投票率の向上は選挙管理委員会といたしまして重要課題と位置づけ、選挙時の投票参加の呼びかけはもとより、常時啓発にも一層の力を尽くしてまいる所存です。