一般質問

私は道路上の放置物について質問いたします。

 新宿区では平成15年6月の新宿区安全条例の制定により、区民の安全を守る取り組みは一層の進展をみせ、その後重点指定地域も、現在7箇所になっています。 新宿区議会でもよく取り上げられますが、ニューヨーク市の治安回復の鍵はジュリアーニ前市長の固い決意と割れ窓理論にあったと言われています。小さな犯罪の芽を摘むことによって、大きな犯罪を未然に防ぐというこの理論はその後の防犯活動におおきな影響を与えています。
 新宿区でも、街の美化清掃が、最終的には犯罪の抑止に大いに役立つとして、クリーン作戦と称して歌舞伎町地区でも行われています。

 そのような中、道路上の放置物の問題について質問したいと思います。
 繁華街では駅や公園の周辺の道路上に放置された物品を多く見かけます。例えば、JR新宿駅西口やJR高田馬場駅の周辺、大久保公園の周辺など、主に路上生活者のものと見られる、これらの道路上の放置物は町の美観を著しく損ねています。さらに道路管理が行き届いていないという印象を、来町者、通行人、特に専門学校に通学している学生や付近の住民に与えています。

 これまでも新宿区は道路管理者として、これらの放置物を撤去するべく、さまざまな努力をされ、成果も挙げてきました。
 しかし一方で大変難しい問題もあります。その問題はこれらの放置物を撤去する際の放置物の所有者と思われる者とのトラブルであります。問題は廃棄物=ごみと放置物の区別であります。現場ではそれこそ毎日大変厳しい判断・対処を行ってこられたと思われます。そのご苦労は想像に難くないところであります。

 この厳しい判断の一例として、次の例を挙げたいと思います。本年3月 大阪市長宛てに大阪弁護士会が警告および要望書を出しました。ことの発端はJR大阪駅御堂筋口の歩道橋下駅前の歩道橋下の鉄柵内に放置された物件を、警告なしに大阪市が撤去し、保管せず、そのまま焼却処分したと言われていることにに始まります。
 この要望書でのポイントを紹介すると、次のようです。
@ 放置物がホームレスのものであるのか 投棄されたものか。
A 廃棄物である場合は道路法42条により、収集、処分できる。
B ホームレスの所有物であった場合は、同43条で一時的な放置物として禁じられており、同第71条1項により所有者へ除去・移転命令を出す。
C 物件の所有者が確定できない場合は、同71条3項により事前に公告し、撤去し、一定期間保管し、処分する。

 法律の専門家である弁護士会が出した意見・要望は尊重されなければならないと考えます。しかし、それではこれらの放置物と毎日向き合う付近住民や通行人などの不快、不安感はいったい誰がぬぐうのでしょうか。
 ましてこれらが犯罪を誘う可能性もあるとなれば、単なる不快・不安にとどまらず、身体や財産の安全を脅かすことにならないとも限りません。
 確かに警告や保管について、問題が大阪市になかったか、直接調べていませんので、これ以上の見解は述べられませんが、しかし道路法の趣旨と住民の安全に対する責務からすれば、これらの放置物を常に撤去、処分することは、住民とりわけ近隣住民にとって大切な課題であります。

 先の大阪弁護士会の要望書にあるように、いわゆるホームレス特別措置法が制定され、根本的解決が待たれますが、そのために道路法の趣旨が生かされず、住民の不快感、安全の確保ができないことは問題であります。
 この点ぜひこれからも、人権への配慮のもと、上記の道路法の趣旨をいかして放置物の撤去に取り組んでいただきたいと思います。

 そこで伺います。

一、放置物について、これまでの道路管理上の問題点について
二、これからもしっかりと道路管理をお願いしたいという観点から今後の区の取り組みについて

以上2点について、区長のお考えをお聞きいたします。
私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

答弁要旨

下村議員のご質問にお答えします。
 道路上の放置物は、車の通行や歩行の障害となる上、まちの景観も損なうことから大変問題と考えています。
 しかも、不法投棄されたゴミはともかく、路上生活者の所有物については、ご指摘のとおり、人権への配慮など、慎重な配慮など、慎重な扱いが求められています。
 新宿区では、路上生活者の所有物についての扱いは様々なケースがありますが、一般的には、所有者が明らかな場合には、あらかじめ警告書を貼付し、1週間程度の期間をおいた後撤去を行っています。しかし、指導になかなか従わないケースや一度撤去しても直ぐに新たな荷物が放置されることが多く、繰り返し、粘り強く対応しなくてはならないのが現状です。
 道路だけでなく、公園も含めて、その本来の機能を確保するとともに、景観や利用者の皆様の安心の確保することは、区の重要な責務と考えていますので、今後とも、適正な維持管理につとめてまいります。